
(平成26年11月7日発行分より抜粋)
若手の二代目が継いでさらに発展している老舗というのに、たまに出会うことがある。
このほど、店内をリニューアルし様々な作業スペースも外に設けたふじかわフォトサービスもそんな店である。
以前にも訪れたことがある同店だが、久しぶりに行くと店の雰囲気が変わっていた。
「実は、思い切ってレイアウトを変えたんですよ」と藤川社長。
これまで、入ってすぐ左側にあったレジを正面奥に持ってきた。「カウンターの背面の形にしたバッグヤード
部分を広げて、そこでは証明写真スペースをきっちりと作ろうと思ったんです」ということだ。
利益の取れる証明写真への注力を考え、他店との差別化を図るためにメニューのひとつに(綺麗仕上げの)
4,200円のコースも設けた。これを目玉に店頭で告知。もともと、JR武蔵小金井駅の駅前立地ということも
あり売上を上げた。さらに、店に入るとカウンター横で証明写真スペースの入り口となる部分に撮影用のため
のバックシートなどを目立つように置いてあり、設備が整っていることもうまくアピールした。
実際に、バックシートの種類も増やしたし、照明機材も新たに購入した。「証明写真のビジネスというのは
力を入れれば、大きく貢献してくれるというのを改めて実感しましたよ」と。だが、その機材などを置いた分、
これまで設置していたものは置けなくなったと思うのだが。
「実はですね、隣のJR東小金井駅のすぐのところに事務所兼作業スペースを思い切って借りました。」
カレイダーやポストカード貼付機の機材もそちらに運んだ。「いずれは、その新スペースで作業をして、
例えば沿線のほうでフイルムプリントの集配業務を行うことも考えてます」と語る。
このような中で、これから本格化するポストカード商戦にも意欲を持っている。
「だいたい前年の110%程度を考えています。スタッフにも、一年の売上をここで作るつもりで頑張って欲し
い、と言ってます。」内容的には、今年は思い切った絞込みを行った。まず、写真タイプのほうはオリジナル
デザインのものに加えて、中外、フジ、ラボネットワークと人気の出るあたりをきっちりとフォローする形で
展開するのだが、印刷タイプのほうは思い切ってオリジナルデザインのものを中心に展開することにしたのだ。
店の顧客の傾向から考えても、増えている印刷タイプに注力し、もっとも売れそうなパターンに集中すること
にした。さらに、写真タイプの注文の際に、これまで有料にしていたトリミング料を思い切って無料にした。
「ここを有料にして、客を逃しているパターンにも気がつきましたので、思い切って変えました。」
絞るところは絞り、コストをかけるところはかける、という割り切った展開で売上を作っていく同店であった。
(記事:桑原記者)